花粉症シーズン

今年も!花粉症シーズンの到来です!
予想によれば、昨年よりは、飛散量は少ないらしいですが、
ある程度以上の重い方々にとっては、多少の花粉量の多寡にかかわらず症状が出て、つらい時期の始まりです。

当方(院長)も、田舎の子ども時代から、飛散……ではなく「悲惨」な花粉症持ち(通年性ですが、花粉症の時節は特にキツい)で、
大学の臨床実習で小児科を回っていたある日の教授回診時、子どもの頃からの私をご存じだった女性の小児科医の先生が、ナースステーションで鼻も目もグチャグチャにしている私をご覧になって、
「滝田くん、見ているだけで、お気の毒になるわ~
と仰ったのを、忘れません。


この、花粉症の項目、書き足していきます。

今年のスギ花粉の本格飛散は、図のようになっております。
そして、このところ気温も高く、風も強いため、スギ花粉の本格飛散が始まりました。

秋の花粉症は、河川敷などの低い草が主なので、「近づかなければ」避けることも一応可能ですが、
春の花粉症は、そもそも高い山の、高いスギやヒノキの木から飛んでくるので、広範囲をカバーし、避けきれません。


<お薬について>


当院は眼科ですので、まず基本は、点眼薬を処方します。
おおまかに、5種類を処方し分けています。
・エピナスチン0.05%点眼(アレジオン®点眼のジェネリック)
・オロパタジン点眼(パタノール®のジェネリック)
・ケトチフェンPF点眼(ザジテン®のジェネリックのうち、防腐剤フリーのメーカー)
・アレジオンLX®
・フルオロメトロン
それぞれ、処方意図は異なりますので、実際の処方の際に、ご説明いたします。


また、必要に応じて、内服薬も処方いたします。
まず、自動車の運転の有無を確認します。
次に、これまでお飲みになってきたお薬で、「これは効いた」もしくは「これは全然効かなかった」というお薬がないか伺います。
アレルギーのお薬は、全体に効きやすい方・効きにくい方があるのと、個々のお薬ごとの相性が出ることもあるためです。
最後に、その方の生活パターンも考慮して、処方薬を決定します。


<市販薬を買うより、医療機関受診がお勧めの理由>
花粉症は今や「国民病」と言われており、国民医療費を圧迫しているというのは、重々承知しております。
しかし、長いと2月~GWまで苦しまれる個々の患者様は、保険を使って、十分に有効な治療を受ける権利があると思います。

まず、ドラッグストアに並んでいるアレルギーの薬は、一般に高価です。
そしてそれらを、花粉症シーズンを通して続ける必要があります。
そのため、診察でお話を伺うと意外に多いのが、「お薬が高いので、ひどいときだけ適当に使っています」という患者さんです。
それでは、本来の薬効が発揮できず、かえってもったいないです。
昔からある「古くてキツい」タイプの鼻炎薬は、即効性に優れるため、そのような使い方も可能ですが、体に負担がかかります
(最も目立つ副作用は眠気ですが、その他、判断力低下、記憶障害、口や目の乾き、かすみ目、動悸、排尿困難、便秘など、多彩な症状が出ることがあります。)

 🖥️副作用についての、生成AIによる解説はこちら)

一方、現在主流のお薬は、副作用がマイルドで、毎日飲み続けることにより、さらに強力に症状を抑えられます

しかも、医療用(医家向け)の薬剤は、安価です。例として、有名な「アレグラ®」を挙げます。
Amazonで、「アレグラFX14錠」は1,180円、1錠あたり84.2円です。
一方、医家向けでは一般に、ジェネリックの「フェキソフェナジン錠60mg」が薬局で出てきます。
薬価は、1錠13.6円。3割負担では、4.08円です。
実際には、診察代、調剤料がかかりますが、飲み薬、目薬を、花粉症シーズンいっぱい分「きっちり」入手するには、保険診療の方が、圧倒的に安価になります。
つまりは、毎日お薬を飲む際に、抵抗感が軽く済むということです。

また、これも当然ですが、上述のように、市販薬より医家向け薬剤のほうが、新しくて、バリエーションが豊富です。
そして、個人の症状に応じて、複数のお薬を併用することもよくあります。これは、市販薬の自己判断では、難しいことです。


スギ花粉の本格飛散が、徐々に始まってきました。
毎年花粉症でお悩みの患者さんは、どうぞ、遅くならないうちにご相談ください。